小豆島農村歌舞伎の衣裳の虫干しです。

小豆島農村歌舞伎の衣裳の虫干しです。
 
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 10日、小豆島土庄町にある国指定重要有形民俗文化財『肥土山の農村歌舞伎舞台』で収蔵している歌舞伎衣裳の虫干しが行われました。
 肥土山農村歌舞伎保存会と肥土山老人クラブ併せて70名あまりが、衣裳蔵から出してきた打ち掛けや袴、羽織、狩衣直衣、殿様、武士、奥方、女房、遊女、やくざの肉襦袢など役職物約620点(町指定有形民俗文化財)の半数を、桟敷に張ったロープに掛け、途中裏返しながら約5時間虫干しをしました。
 
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 色とりどりの江戸時代からの歌舞伎衣裳を秋の風が吹き抜けます。
 
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衣裳蔵から出された小物も整理されます。
 
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 毎年9月中頃の天気の良い日を選んで虫干しをしていましたが、今年は台風15号のために日延べになりました。
  この虫干しは、カメラマン垂涎の催し物ですが、天気と虫干しをする人の都合でおこなわれますので、小豆島の人もめったに見る事ができません。
 
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舞台の上で虫干しされる江戸時代の歌舞伎衣裳。
 
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 江戸時代の歌舞伎衣裳に触ることができます。これらの多くが幕末から明治にかけて、お伊勢参りに行った島民が大坂で購ったものです。
 小豆島土庄町だけで1200点あまりの衣裳が町指定有形民俗文化財として残っています。 
 
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午後2時、撤収です。
 
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 ここからが大変です。ロープにかけていた衣裳を役職物ごとに仕分けして、台帳と照らし合わせて衣裳蔵に収めなければなりません。
 男の人は、脚立を使ってロープに掛けていた衣裳を下ろす。それが終わるとロープ、支え木の片付け。女の人は衣裳の仕分けと蔵への収納が待っています。
 70人あまりの人々が黙々と作業をしていました。
 ここ、小豆島土庄町肥土山の農村歌舞伎は、地元の人たちの手によって、親から子へ、子から孫へと300年間、連綿と守り伝えられています。
 今の私たち日本人が、忘れようとしている、あるいはもう忘れ去ってしまっているかもしれない「なにものか」がここにあります。