1948年(昭和23年)製のカメラ「マミヤ6」

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                        カメラ「マミヤ6」 IV型1948年(昭和23年)製

 テストパイロットは、古い物がすきである。古い物が今まで残っているということは、お金では買えない。それに、世俗的な価値(骨董品としてのプライス)があるかどうかとは別の話である。
 このカメラは、よく行く郵便局の職員から、もらってくれませんかと言われ、喜んでいただいたものである。聞けば、お父さんが亡くなって家を整理していたら古いカメラが出てきた。小さな時、父はこのカメラでよく写真を撮ってくれた。私にはいらない物だが、捨てるのは忍びない、テストパイロットさんは古い物が好きだから、もらってくれないか、という申し出であった。
 革のカメラケ-スの裏側に「昭和23年6月26日」香川懸小豆郡内海町○○○と書いてあった。

 
                           マミヤ6とは・・・
 
 マミヤシックスには種々のモデルがある。全てのモデルの基本になったのは太平洋戦争直前の1940年に発売されたI型という初期モデルである。バックフォーカスというユニークな機構で登場し世界から注目された。その後III型に引き継がれこのモデルは終戦直後まで生産された。以来1959年頃まで多くの改良モデルが発売されている。I型とIII型にはボディに埋め込まれた反射型ファインダーが付いていた。
 戦後間もない1947年(昭和22年)秋にマミヤシックス IV型と呼ばれるモデルが発売された。1953年頃まで製造された比較的ロングランのモデルである。写真はその後期のもの接写用のオートアップが付けられている。50cm~1メートルのクローズアップが可能だ。このIV型はそれまでのクラシカルなデザインが一新されてスマートになり、機能面も強化されたモデルである。このモデルから反射型ファインダーは廃止された。
 戦後各国でいろいろなスプリングカメラが生産されたが、マミヤシックスは性能の面では常に他をリードしてトップの座を守っていた。ユニークなバックフォーカシング方式のピント合わせ、自動巻き止め、ズイコーレンズの採用など高級蛇腹カメラの条件を満たしていた。
 独特の焦点調節機構、蛇腹カメラのピント合わせはレンズを繰り出すか、レンズの一部を回転させて調節する前玉回転式が一般的である。
 マミヤシックスのバックフォーカス方式は、カメラのレンズはしっかり鳥居(レンズボード)固定されていて繰り出されることはなく、ボディ内部のフィルム面を前後に動かす仕組みである。連動のメカニズムはベッドの開閉には関係なく、ボディ内部の連結だけ行うことができる特長をもっている。これはボディの厚みが若干増えてもピント機構はシンプルになり、ベッド開閉によるピント機構の狂いを生じることはなく、正確なピント調節を長期間維持することができる。
 折り畳みカメラの連動機構は各社によっていろいろ複雑なレンズ繰り出しと連結機構が考案されているが、マミヤシックスはこれを避けてフィルム面を前後させるという、いわば戦前における発想の転換を実戦したカメラである。