「スズキ・フロンテ360LC10型」・昭和44年製・なつかしの愛車

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 15年ほど前、子どもが小学校入学の際、勉強机がいるということで、テストパイロットは、近所の大工さんのたずね、机にする松の一枚板を探してくれないかと依頼したところ、倉庫の片隅にこのフロンテがあった。
 ナンバ-は88香の初期ナンバ-、聞けばワンオ-ナ-とのこと。テストパイロットは松の一枚板のことはそっちのけで、この車を譲ってくれないかと談判して手に入れたものである。
 「車は走ってなんぼ」の主義のテストパイロットは、このフロンテで小豆島を走り回った。
 行く先々で、若い人からは、「イタリアの車ですか」、年配の人からは「なつかしいなあ-」と、話題の中心となった。
 「会者定離」、出会えば別れがあるように、この車も2年間乗って、駐車場のこともあり、貧乏なテストパイロットは、泣く泣く廃車にした。
 リアから聞こえてくる空冷2サイクル3気筒が奏でるエンジン音と、カストロ-ルオイルが燃焼する真っ白い煙を吐きながら、秋の寒霞渓の紅葉、「二十四の瞳」の岬の分教場に行ったことが、まるで昨日のことのように思い出される・・・
 
「スズキ・フロンテ360LC10型」
1967年4月 - 1970年11月
乗車定員 4人
ボディタイプ 2ドアセダン
エンジン 0.356L 直列3気筒 キャブレター
最高出力 25ps/5,000rpm
最大トルク 3.7kgm/4,000rpm
駆動方式 RR
サスペンション 前:ウィッシュボーンコイル
後:セミトレーリングアームコイル
全長 2,995mm
全幅 1,295mm
全高 1,330mm
ホイールベース 1,960mm
車両重量 425kg
(ウィキペア参照)
 
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 子どもに無垢材の本物をというテストパイロットは、幅二尺、長さ六尺六寸、厚み一寸五分の赤松の無垢の一枚板を、フロンテの所有者である大工さんから購入し、大人四人がかりであばら屋に運び込んだ。
 赤松の肥松の一枚板、床柱を切って足とする勉強机である。
 息子に、「こんな勉強机を持っている小学生はいないぞ」と言うと、「こんなんいらん、いろいろとついている机を買ってほしい」とにべもない返事。
 家具屋で本立てや蛍光灯、コンセントの付いている、ごく普通の勉強机を買うことになった。
 結局、フロンテと赤松の無垢の一枚板、そして家具屋で購入した勉強机、しめてウン十万という高い買い物になった・・・
 しかし、いつかわかってくれるだろうと、テストパイロットは思っている。
 廊下に立てかけている赤松の無垢板を見る度に、フロンテを思い出すテストパイロットであります・・・