干満であらわれては消える、エンジェル・ロード

一日に二度、あらわれては消える、エンジェル・ロード
 
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早朝のエンジェル・ロード
潮は小潮のに大潮のようにひいている。
遠くに源平合戦の讃岐屋島が見えます。
 
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昼過ぎ、潮が満ちてきました。
ここ二、三日、潮が異常に高い。
 
 
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 見る見る潮か満ちてきました。
小豆島での干満の差は約3メートル
 
 
 大空に跨がって眼には見えぬその天の子午線が虚空に描く大円を三十八万四千キロのかなた、角速度毎時十四度三十分で月がいま通過するとき月の引力は、あなたの足の裏がいま踏む地表に最も強く作用する。
 
 
 そのときその足の裏の踏む地表がもし海面であれば、あたりの水はその地点へ向かって引き寄せられやがて盛り上がり、やがてみなぎわたって満々とひろがりひろがる満ち潮の海面に、あなたはすっくと立っている。
 
                              『子午線の祀り』・木下順二より
       
 
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満潮、離れ小島となりました。
 
 月の引力をうけ、淡路島と紀州和歌山との間の友ケ島水道をぬけた太平洋の海水は大阪湾に入る。淡路島と阿波徳島の間、狭隘な鳴門海峡をぬけた太平洋の海水は小豆島と淡路島との間の備讃瀬戸の海に流れ込み、西流となって西へ向かう。
 一方、関門海峡に流れ込んだ日本海の海水と豊予海峡から流れ込んだ太平洋の海水は響灘で合流する東流となって東に向かう。
 この瀬戸内海の西流と東流が、備後国福山の沖合でぶつかり、せめぎ合い、干潮となると、反転してもと来た友ケ島水道、鳴門海峡関門海峡豊予海峡を抜けて、太平洋、日本海へと流れ出す。
 万劫の昔から、一日として休むことなく繰り返されている自然の営みである。