盲導犬「きなこ」とエンジェルロードのテツ

　職場に、テストパイロットが勝手に名付けた盲導犬「きなこ」がやってきた。写真を撮ってもよろしいか、と許可をたずねると、どうぞどうぞ、フラッシュも大丈夫です。撮ってやって下さいと快く承諾して頂いたのでカメラをむけた。

きなこは、やさしい目をして飼い主に寄り添い、決して離れようとしない。

　きなこは、飼い主を気遣いながら帰って行った・・・目の不自由な飼い主にとって、きなこは大切な目である。御年８歳、人間でいえば６０歳以上とのこと。

　飼い主に、良い写真が撮れましたよ、と言いそうになり、あわてて言葉を飲み込んだ。　

　翌朝、いつものようにテツをエンジェルロードに連れて行った。テツも七歳、人間でいえばテストパイロットと同年代である。相変わらずやんちゃで、ちっとはきなこを見習えと言い聞かせたが、餌をもらう時だけ、飼い主に従順である。