庭の蘇鉄は香川県指定文化財・邸宅は町指定文化財の片山邸ー②

庭の蘇鉄は香川県指定文化財・邸宅は町指定文化財の片山邸ー②
 
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入母屋造りの長屋門。13.25坪(43.7㎡)
 
 屋根裏に天保6年11月の棟札。破風の鐙瓦や巴瓦は五三の桐模様、隅の尾の止め瓦、破風じまいの蔀・懸魚・釘隠など江戸時代後期。
 
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 垂木は栂の柾目、軒桁や鐙板などはすべて欅の無垢材を使用。江戸時代末から今日まで180年間風雨、潮風にさらされながも狂いはない。
 この表門は家相普請として屋敷の巽(東南)に位置し、観音開きの欅の大戸に潜り戸をつけた古風な構えで、潜り戸の止め方にも特別な工夫がなされている。
 
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 さすがは西日本屈指の材木商だった片山邸の表門である。軒桁をみても、樹齢1000年以上の欅の大木をふんだんに使っている。
 柱根はいずれも銅板が巻かれている。
 
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 片手で音もなく開く欅の大戸である。
 
 これまでこの大戸が開かれたことはめったになく、大切な客を迎えるときにだけ、日常は潜り戸が使われていた。
 片山家の古文書によれば、江戸時代には、片山邸には、讃岐松平家、作州津山松平家などの殿様、家老が頻繁に訪れている。
 テストパイロットは、殿様になったつもりでこの格式のある長屋門を潜った。 
 木の好きな人ならばこの欅の一枚板がどれほどの巨木から伐り出された逸品かわかるであろう。
  
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 長屋門の左右には一部屋ずつ下男部屋があり、東側の部屋は床の間と押し入れがある八畳間、連子の入った窓は選りすぐりの欅材を使った入念な造作である。 
 
次回は、いよいよ江戸時代末創建の豪壮な本宅を紹介します。
乞うご期待・・・