ワ-ゲン・ビ-トル1303S・1974年

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                        ワ-ゲン・ビ-トル1303S・1974年

 40歳から50歳にかけて、車と単車、それもオ-ルドカ-に乗っていた。理由は簡単、お金がなかったから・・・しかし、金がないのがオ-ルドカ-に乗るのは大きな間違い。懇意にしているモ-タ-スの主人から「金がなければ新車に乗れ」と言われた言葉が、骨身に染みた。
 ワ-ゲン・ビ-トルは、ちょうどこの車がドイツのシュッツガルトの工場で産声をあげたころ、大学にワ-ゲンで通学するアイビ-ルックの「ぼんぼん」がいて、いつかはおれも乗ってやると思っていた1台だったからである。
 車の「売ります・買います」のコ-ナ-で見つけ、全塗装しているのに値段は20万円、現物も見ずに臨時運行のナンバ-を持って姫路に行き、喜びいさんで持ち帰ったものであった。
 車検を取得して、しばらくはうれしさの乗り回していたものの、金食い虫の性悪女にひっかかったように、まず腰が痛くなった。シ-トが右に大きくへたっていたのである。シ-トを社外品に交換。次に、前輪ストラットのショックがへたっていたので交換。そうこうするうちに交差点で謎のエンスト、二度と息を吹き返さなかったのでエンジン交換、バッテリ-交換、タイヤ交換・・・
 テストパイロットは、「車は動いてなんぼ」と思っているので、修理・交換しては走り回り、無謀にも高速で愛媛県の西条まで、それも轟音につつまれながら130キロで走ったりと、それなりに楽しみました。
 石跳ね防止のフロントブラジャ-と、ポルシェ・ウイングを付けたりと、狭い小豆島では、かなり目立っていました。挙げ句の果てには、「ロ-ルスマスク」と言って、FRP製のボンネットを購入し、板金屋に持って行ったところ、「40過ぎて、何考えとんじゃ」と一喝されて断念したのも良い思い出です。
 6年間乗ったところで、友人から譲ってもらったゴルフに乗り換えました。しばらくは駐車場に置いて
いましたが、やむなく廃車としました。
 「金がなければ新車に乗れ」・・・名言でした。でも、乗りたいと追っていた車に乗れたことは、幸せでした。「テストパイロット」を書くとき、この車で得たさまざまな知識は役に立ちました。