農村歌舞伎・余話

                      歌舞伎・根本(ねほん・台本)
 
 この根本は、一昨年肥土山農村歌舞伎で催された「義経千本桜 つるべ 鮓屋ノ段」 のものである。
 3月になると、5月3日の本舞台目指して、配役が決まり稽古が始まる。
 まず手渡された根本を読み込み、台詞を覚えなければならない。
 
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 根本には台詞だけでなく、太夫、三味線、振り付けなどが書かれており、芝居が近付くにつれ、振り付けの先生の指導のもと、太夫、三味線を入れて最初から台詞の読み合わせがはじまる。通しで約1時間あまり。
 これが何とか形になると、台詞に所作をつけての稽古となる。
 最期に歌舞伎舞台を使っての稽古となり、衣装合わせの上、本番をむかえるのである。
 主役級の長台詞のある人など、ご飯を食べながら根本を読み込み、どんなことがあっても覚えなければ、舞台に穴があいてしまうため、ある大工さんなど台詞を言いながら仕事をしていて、ハシゴから落ちてしまうという、笑うに笑えないエピソ-ドを残している。
 このプレッシャ-は相当なもので、その上所作がある。右手がどうの、足の位置など・・・三味線、音吐朗々の太夫と呼吸をあわせなければならない。
 前の人が台詞をとちれば、目の前が真っ暗になって、後の人に迷惑をかける。
 テストパイロットは、肥土山地区以外の者としてはじめて役者として舞台を踏ませてもらったが、芝居というものは、太夫、三味線、大道具方、小道具方、下座、鳴物、着付、化粧、床山、振付指導など、本当にたくさんの人々が心を一にして創り上げるものだと実感した・・・
 
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