『近代日本の百冊を選ぶ』・講談社

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           『近代日本の百冊を選ぶ』・講談社
 
 伊東光晴(経済学者)、大岡信(詩人・文芸評論家)、丸谷才一(小説家・文芸評論家)、森毅(数学者・文芸評論家)、山崎正和(劇作家)という当代一流の人物が編者となり、明治維新からこの方、近代100年の政治・経済・自然科学・文学・漫画にいたるまでの「面白い名著」を選んでいる。
 本の帯に、芥川龍之介志賀直哉川端康成三島由紀夫などの作品が落選し、漫画家の長谷川町子手塚治虫が選ばれているなど、随所に物事にとらわれない見識が示されているとあった。
 おもしろそうだと思い購入して、久米邦武編『特命全権大使米欧回覧実記』からはじまり時系列に列記されている本を読んでいるうちに、テストパイロットの顔色が変わった。
  1953年(昭和28年)『経済学の生誕』・内田義彦・未来社とあったからである。
「西欧思想の学説研究の分野で、日本の社会科学がやった大きな業績が内田義彦の『経済学の生誕』(75番)です。内田の研究は国際性をもちません。なぜなら、日本人でなければできないアダム・スミス研究をやったからです。だから読んでおもしろい。」と伊東光晴さんが、こう書いていた。
 テストパイロットの息子の名前は「義彦」という・・・
 恩師内田義彦先生が亡くなって21年になる。息子も21歳である。