棒高跳びの絵皿

棒高跳びの絵皿
 
イメージ 1
 
 20年ほど前、小豆島の古道具屋の店先に無造作に積み重ねられていた皿である。
 わたしがこの皿に惹かれたのは、図柄が棒高跳びであったからである。棒高跳びの選手の向こうに日の丸が見える。わたしは、小学校だったと思う(?)、国語の教科書でベルリンオリンピック棒高跳び決勝において、西田と大江という選手がアメリカの選手との死闘の末、アメリカの選手が金メダル、同じ記録ながら西田選手が二位の銀メダル、大江選手が三位の銅メダルになり、日本に帰国後、銀と銅のメダルを二つに割り、それをつなぎ合わせて「友情のメダル」を作ったという話を覚えていたからである。
 たぶん、そのことを図案にしてこの絵皿が作られたのではないかと思っている。
 この絵皿を手に入れてから、西田、大江選手のことを調べてみた。
 次こそ金メダルと、このベルリンオリンピックから四年後に予定されていた近づく戦火で東京オリンピックは幻と終わり、西田選手も大江選手も出征して戦地におもむき、大江選手は開戦まもない昭和16年12月24日、フィリピンで戦死。27歳だったということを知った・・・
 この1000円で購入した棒高跳びの絵皿を見るたびに、戦前には心のきれいな日本人がいたのだなあ、と思ってしまう。