ケヤキの衝立

ケヤキの衝立
 
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 10年前に家を建てた時、旧家のK氏から新築祝いということでケヤキの板(盤)を二枚もらった。天保6年(1836年)建築の家に住むK氏の先祖は材木商で、これは家の修築用で、幕末に伐られた本ケヤキだから、机を作るなり、衝立にするなり、と新築祝いにくれたが、最初は真っ黒け、とにかく重く、大人四人がかりで軽トラックに積み込んだ。
 テストパイロットがサンダーでごりごり削っていると、たまたま友人の大工さんがやってきて、「本けやきやないか、玉もくがでとる。アホなことすな。わしが鉋をかけてやる」ということで削ってもらったものである。
 友人の大工さんは、削っては鉋の刃を砥石で研ぎ、削っては鉋の刃を研ぎ、このようにしてくれた。
 ケヤキは堅く、素人ではなかなか鉋をかけることができないとのことであった。
 鉋をかけただけであるが、なんとも言えない艶が出てきた。
 ついでに、脚を作ってもらい一枚は衝立、一枚は机にしたのだが、縦1メートル、横90センチ、厚さ12センチの衝立を陋屋の狭い玄関に置くことができない。今は服を掛けている。
 年輪は一ミリと細かい。九州は日向国大分県飫肥170年前に伐られたこのケヤキは、一体どのような大きさの、樹齢の大木だったのだろうか、と思いをはせることがある・・・
 息子や娘が将来家を建てる際に、一枚づつ新築記念に贈ってやろうと思っている。