豊島物語③・・・テストパイロット、閻魔さんに怒られる!!

豊島物語③・・・テストパイロット、閻魔さんに怒られる!!
 
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 浜辺のお墓で隠れキリシタンの墓石を見つけたテストパイロットだったが、家の宗教は真言宗、甲生地区から小豆島行きのフェリーの出る家浦地区へと向かう途中に、「観音寺」といいながら、お寺ではなく鄙びた庵がある。
 正直で、信心深いテストパイロットは、世話をしている人に鍵を開けてもらい中に入ったとたん、「こらぁー、嘘つき者め」、と閻魔さんとその一族眷属に睨まれた。 
 
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 今の人は知らないだろうが、小さい頃、「嘘をつくと閻魔さんに舌を抜かれるぞ」と両親から言い聞かされて育ったテストパイロットは、閻魔さんが苦手である。
 これまで五十有余年、嘘多き人生をおくってきたテストパイロットは、閻魔さんを見たとたん、思わず「ごめんなさい」と言って両の手を合わせたのであるが、この閻魔さん、両の手の間からおそるおそるのぞき見ると、どうもあまり怖くない。西遊記に出てくる猪八戒に似ている・・・
 
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 この庵を世話をしているお年寄りは、閻魔さんより「洗い婆」のことを説明してくれた。
 この洗い婆は、三途の川を渡ってくる罪多き人間を、閻魔さんにあわす前に洗ってやりるのが仕事とか、テストパイロットは、いつの日か三途の川を渡るときには、この洗い婆に、「テストパイロットは、生きるため、かわいい子供や妻のためにちょびっと嘘をつかなければなりませんでした。仕方がなかったのです」と頼んで少しでも罪を洗い流してもらわなければならないと思った。
 そして、テストパイロットは嘘多き、恥多き人生を歩んできましたが、舌を抜くのは今の政治家の先生にして欲しい、とお願いしました。