『小豆島を訪れる遍路さん、最近見かけなくなりました・・・』閑話その①

『小豆島を訪れる遍路さん、最近見かけなくなりました・・・』閑話その①
イメージ 1

 私が小学生だった50年前、菜の花が咲く頃になると、チリーン、チリーンという鈴の音とともにすげ笠に金剛杖をついた白装束の遍路さんを毎日のように見かけた。遍路さんの中には、自分と同じくらいの歳の子どもやお年寄りもいた・・・家の近所にあった西光寺の奥の院である南郷庵の庭で遊んでいた私や弟は、遍路さんを見かけると、「遍路さん、豆ちょうだい」と言いながら駆け寄り、両の手をお椀のようにして遍路さんから大豆を炒ったものをもらった。時たま甘露飴をもらうとうれしかったのを、今も、長じて知った南郷庵を終の棲家とした孤高の俳人尾崎放哉の「入れものがない、両手でうける」の俳句とともに思い出す。
 その遍路さんを、ここ数年見かけることが少なくなった。今年など、これまで見かけたのは数回である。私は、江戸時代から島四国八十八カ所霊場を巡る遍路さんよってお寺はもとより遍路宿が、そして遍路さんの消費する米麦や野菜などで小豆島に貴重な現金収入がもたらされ、島民の生活を少なからず潤してきたのではないか、小豆島と遍路さんは長い間「同行二人」だったのではないだろうかと思っている・・・だからこそ私は、小豆島から遍路さんの姿が消え去ろうとするのを惜しむ気持ちを、どうしても捨てきれない。

              ブログ村ランキングに参加しています。
クリックしていただくと他の小豆島のブログ・情報がご覧になれます。
どうか皆さん、ポチッとクリックをお願い致します!! 
             https://localshikoku.blogmura.com/shodoshima/