昨今の中国を思うと・・・

「社会的地位が上がったり、金持ちになると、態度は自然と大きくなる。」・・・このことは、洋の東西を問わず、また古今を問わず、普遍的現象であるのは、だれしも思い当たり、実際に経験したことがあろう。
 たとえば、還暦の祝いの記念写真などは、そのことをまざまざと表しているといえよう。
 中学校、高等校生のときに落ちこぼれ、劣等生であったのに、社会に出て40数年、いつしか金ができ、社会的地位が高くなった者が、記念写真の端っこにいるだろうか。第一、着ているものが、顔つきが、態度が違う。
 20年前、父親の還暦の記念写真を見て、そう思ったことを、今も思い出す。
 人と人がそうならば、国と国、すなわち国際社会も同じであろう。アメリカの大統領が、端っこにいるだろうか・・・
  まして、学生時代、金をせびり、いじめた相手が、社会的地位があり、金持ちになっていても、「おまえは俺より劣る」と、見下げることができるであろうか。二次会は俺が持つよ、と言われて、かつてのようにあだ名でからかったり、呼び捨てにできるであろうか。
 高度成長経済を、バブル経済をバックに、金で面を張って外国の土地を、建物を、ゴッホの絵を100億で購入したのは、どこの国であろうか・・・
 先月、上海に行き、帰ってきて友人と中国での出来事を話していると、「上海は、東京よりすごいんか」と聞かれたので、「アホか、いつまでも中国が遅れていると思ったら大間違いやど」とテストパイロットが言うと、「あの中国が、へぇ-ほんまかいな」と信じられない顔つきで言った。
 中国に、「呉下の阿蒙にあらず」という金言がある。
 テストパイロットは、昨今の中国を考えると、20年前に見た父親の還暦の記念写真を思い浮かべてしまう。