瀬戸内海に春を告げる焼きイカナゴとゲタ(舌ビラメ)の煮付け

焼きイカナゴと舌ビラメの煮付け。
イメージ 1
 瀬戸内海に春を告げる焼きイカナゴとゲタ(舌ビラメ)の煮付け
 
 イカナゴは水面を長い群(玉)になって泳ぐので、 玉筋魚(いかなご)と呼ばれます。小さいものを小女子(こうなご)、大きいものを大女子(おおなご)と呼びます。魚の名前の由来は「いかなる魚の子なりや」、つまりなんの魚の子かわからなかったことからイカナゴと呼ばれるようになったと言われています。
 昔は、七輪に金網を載せて焼きたてをショウガ醤油をかけてフウフウ言いながら食べましたが、今は釜揚げをコンロで炙って食べています。
 小学生の頃よく聞いた、「イカナゴのとれとれじゃーー」という行商のおじいさんの呼び声が、イカナゴを食べる度に、耳の奥底から聞こえてきます。
 七輪で油揚げを焼き、刻みネギを乗せ、ショウガ醤油をかけたものもよく食べました。
 両親と弟とわたし、家族4人が丸いちゃぶ台を囲んでイカナゴや油揚げを焼いたものをおかずに、麦の混じったご飯を食べていたのをなつかしく思い出します・・・
 
イメージ 2
 
 40センチ近くの舌ビラメです。しっぽの方ですが、肉厚なのがわかると思います。今、さらっとした脂が乗ってうまいですよ。
 
 今では高級品となりましたが、イカナゴも舌ビラメも、昭和30年代の貴重なタンパク源でした。 
 肉は高嶺の花、鯨をショウガで煮たのが肉料理で、ご馳走だったあの頃、生活は貧しかったけれども、人と人とのつながりは豊かだったのではないでしょうか・・・