続・小豆島の老舗中華そば屋さんの物語です(笑み)

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 脂ギトギトコッテリのテストパイロットスペシャルのラーメンは、かつて森田さんが、「そんなにこってりが好きなら、これ食べてみい」と鳥の脂をいっぱいに入れて出してくれたものです。
続・宝来軒物語
「汁まで全部飲んで、うまかったと喜んでくれるんや」

 小豆島の土庄町の本町にあったころの宝来軒は、おばあさんとその娘さん、娘さんのご主人の森田さんの三人で、昼前から夜の8時頃まで営業していました。森田さんは電気の検針の仕事と出前を担当していました。役場から歩いて30秒という近さもあり週に一度程度昼飯として宝来軒に通っていました。宿直の夜などは出前をとっていました。森田さんは話し好きで、役場の宿直室にラーメンを出前してきたときなどよく世間話をしたものでした。その後、おばあさんが亡くなり、森田さんは事情があり本町の店を閉めて北山のコンテナを利用した新しいお店を出しました。三人でやっていたお店を一人ですることになり、出前もできなくなったことから営業時間を朝の6時から昼過ぎまでとしました。職場から遠くなり、また出前がなくなったことから、宝来軒のラーメンを食べる回数は減ったものの休日の昼などには食べに行ったものです。
 そんなある日のこと、いつものように暖簾をくぐり、イスに腰をかけると森田さんが、「この頃、中央病院に入院している人が二三人で来て、こってりで辛くしてとラーメンを注文してくれるようになった。目を輝かしてラーメンを食べて汁も残さず飲み干してくれるんや、帰りに、うまかったと喜んでくれるんで」と言った。森田さんが中央病院に入院している人と話をしたところ、高血圧や糖尿病などで中央病院に入院している。三度のご飯が、食事制限で味気ない。宝来軒ではこってりと脂っぽく辛いラーメンが気兼ねなく食べられるから来ているということがわかったらしい。病気で入院、食事制限で脂や塩分などを控えた病院食は味気ない。宝来軒なら中央病院から歩いて行っても10分もかからない。こってりと脂っぽく辛いラーメンを、たまには食べたいのも無理はない(病気にいいか悪いかはさておいて)・・・森田さんにすれば、自分の作ったラーメンを、目を輝かして食べてくれて、汁も残さず飲み干してくれのがうれしかったのだろう。
 私は、大学を卒業して土庄町役場に奉職して定年退職まで38年間勤めました。商売の世界のことは何一つ知りません。しかし、お客さんが自分の作ったラーメンで喜んでくれるということは、森田さんにとって何よりもうれしかったのに違いないと思います。これまで数え切れないお店で食事をしてきました。「島活」や「暦」さんのように、ああ、美味しかった、やっぱりこのお店に来てよかった思うこともあれば、その逆は数え切れません。今年は瀬戸内国際芸術祭が開催されます。前回以上に多くの人が小豆島を訪れると思います。小豆島に行って美味しいものが食べられてよかった、と思っていただけるお店が増えてほしいと思っております。

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